荒木村重と蓮さま~ご結婚おめでとうございます♪ヽ(*´∀`)ノ
にほんブログ村 歴史ブログ 戦国時代 http://history.blogmura.com/his_sengoku/
≪参照データ≫
史料(孫引き)-秋月家譜、高鍋藩史話、南藤曼綿録、
WEBサイト---武家家伝_城井氏、戦国ちょっといい話悪い話まとめ、豊前の伝承あれこれ
------------------------------------------------------------------------
このシリーズは尺や予算と制約のある大河ドラマでは端折られた、様々な逸話と豊前に残る伝承などがベースです。
素人のチラ裏ですので、こんな話にもなるんだ~と大河の裏フィクションをお楽しみ頂ければ幸甚です^-^
------------------------------------------------------------------------
室町幕府の支配体制は、緩やかな間接統治だった。
簡単な例で言うと、仮にA国の守護大名・A氏がいたとしよう。
A氏は京都在住で、任官地A国に赴くのは代理である守護代です。
守護代もA国を直接支配しておらず、A国の有力国人Qを通じて国を治めているのです。
有力国人Qは、守護大名A氏の家臣ではなく「被官(ひかん~守護大名に従属する国人のこと)」です。
身分的な拘束力は弱いので、有力国人Qは守護大名Aの裁定に不満であれば、隣国の守護大名Bの被官になることが出来ます。
そんなことをすれば、A国とB国の国境が曖昧になり両国が揉めるけど、
家臣でない国人領主Qには関係の無いことですな ( ゚Д゚)y─┛~~
被官先の選択の自由だけでなく、毛利家のように財布に余裕あれば朝廷に献金して官位だって貰えちゃう。
足利将軍家に献金して、室町幕府の御家人(=直参旗本ね)と守護大名の被官を兼務したってOK(=^・ω・^=)v ブイ
そんな感じなんで、実力者である有力国人Qさん家の蔵を「鑑定団」すれば、足利将軍家から拝領した茶器や刀なんかがあったりします(*´艸`)
戦国時代カオスのころは少ないですが、「貴方だけに忠義を捧げるわヾ( ̄・ ̄*)))チュ♪」っと、
自由な国人領主の地位を捨て、誰かの家臣になることだって選べた。
ロン様作成(豊臣家紋ロゴ)
豊臣政権が出来た時、国人領主たちは今までの支配層のように、軍役・諸役さえ果たせば、自分の領地は安泰だと勘違いしていた。
だが秀吉の目指したのは、「室町幕府より強い政権を作るために」「全国に自分が選んだ大名を配置し彼らに領地を直接統治させること」だった。
そのために最も障害となるのが「中間支配層である国人領主」だったんです。
本貫地(先祖発祥・土着の土地)を守る・・・一所懸命という言葉を産んだほど国人領主には何よりも大切なものだった。
だが彼ら国人領主を本貫地から引きはがし、秀吉の選んだ大名の家臣としなければ「秀吉の目指す近世風中央集権」は出来ない。
新たな国造りのために、国人領主たちは麻酔無しで歯を抜くような・・または生きたまま全ての血を入れ替えるような凄まじい苦痛・苦悩にのたうち廻ることになる。
武家として生き残るためには、自由を奪われ生殺与奪の権利を握られた家臣になるしかない。
土地に拘り、そこに留まりたいなら武士を捨て農民になるしかない・・・
二つに一つの選択しかなく、この時の国人領主の苦悩を察することが出来るのは、明治維新で髷を切り大小の刀を捨てるしかなかった最後のサムライたちぐらいだろう。
国人領主たちは、1587年6月13日に発表された九州征伐の後の国分けで、
天下人・豊臣秀吉が自分たちの土地の領有を認める意志が無いことを知った。
同年8月、己の本貫地を守るべく肥後(熊本県)で国人一揆が発生した。
そして・・・同年10月、豊前で城井家が国人一揆を起こした!
鎌倉時代より数百年続いた本貫地が、突然やってきた黒田家のモノになるなんて耐えられない・・・!!
城井郡では代々城井家が殿様・・・誰かの家臣となって頭を下げるなど思いもよらぬこと!
一所懸命の城井兵の士気は高く、地元の強みでゲリラ作戦を展開。
出陣した黒田官兵衛の息子・黒田長政と後藤又兵衛基次は大敗北を喫した。
どれくらいの負けっぷりかというと、あの後藤が雑兵の的になるのを避けるために、
馬を乗り捨て(騎乗してるのは将官級だから)目立つ陣羽織(将官クラスは品物が良い)を脱ぎ捨て、
思いっ切り敵に背を向けて、ケツまくって戦場を逃げ出したほどなのだ。
命からがら帰還した長政は、余りの大敗北に「責任とって自害する!」とまで騒ぐほど動揺した。
秀吉の軍師として高名だった黒田官兵衛は「正攻法では城井に勝てない」と悟り策を講じた。
ロン様作成(黒田家紋ロゴ)
「城井と和睦するだと?」秀吉は語気を荒げた。
「はい、肥後に続き豊前まで一揆が起きたとなれば、殿下の御威光に傷がつきます。」
秀吉の逆鱗に触れる前に大急ぎで説明しなければならない。官兵衛は早口でまくしたてた。
「城井一族の一部は人質を差出し恭順しておりますが、残る者らの結束は固く調略を施しても一蹴されます。」
「であれば、いったん和睦し彼奴らが囲みを解いて油断したところを討つしかありません」
「領地安堵をエサにすれば、彼らは応じざるを得ないでしょう」
「つきましては、そのために殿下の臣をお借りすること、お許しいただけないでしょうか?」
「ほう・・・誰を使うつもりだ?」官兵衛の策に興味を抱いた秀吉は、身体を乗り出した。
「一人は援軍として毛利家の吉川次郎五郎(広家のこと)殿です。和睦の話を持ち掛けるにも、こちらが劣勢のままでは、程よい条件を出すことが出来ませぬ」
「なるほど・・・あのカブキ者は、そちに懐いておったの」秀吉は口辺に笑いを浮かべた。
「いま一人は安国寺恵瓊殿・・城井一族との和睦で働いてもらいます」
「恵瓊は、いま肥後だが・・・よかろう。で、恵瓊には官兵衛の真の目的は伝えるのか?」
「いえ、城井家を油断させるためには、恵瓊殿には本気で和睦に動いて頂きますm(_ _)m」
「ふひょひょっ!あやつに下手に全て話すと、余計な智慧を巡らせるよってのぉ」
何か思い出したのか、笑い出した秀吉の機嫌は、先ほどと打って変わり上々だった。
「さらにもう一人、主計頭(かずえのかみ=加藤清正のこと)です。」
「?虎をどうするつもりじゃ?」秀吉は清正の幼名・虎之助を縮めて虎と呼んだ。
「城井家の当主・鎮房と嫡男・朝房の両名は手ごわく、一か所で固まっていると厄介。主計頭殿には嫡男・朝房を頼み、親子を別々の場所で始末します。」
官兵衛が「始末」という言葉を使った時、秀吉の眉宇が微かに動いた。
「主計頭殿は武辺者でござる。我が仕様に諾と言って頂けなかった折には、殿下の御威光をお借りしてよろしいでしょうか?」
ここまで言って官兵衛は大きく息を吐いて、秀吉の言葉を待った。
武辺者の加藤が嫌がる・・・それは戦場で決着をつけず尋常でない手段を用いる、ということだ。
秀吉が承諾すれば、暗黙のうちに城井家の処分方法も承諾したことになる。
「秋月の娘に竜子という見目麗しい姫が城井に嫁いでおる。官兵衛は知っておるか?」
「は・・名前だけは。。。その竜子を殿下の元に連れて参ります」
頭の回転が速い官兵衛は、秀吉が竜子を側室にしたいのかと推量したのだ。
「ちゃちゃちゃ・・」秀吉は口を鳴らしながら首を横に振った。
「もし、竜子が城を枕に自害するというなら、好きにさせよ。逆に城井の城から落ち延びたなら、捉えずに好きな地へ行かせるが良い。」
「生き延びることを選んだ竜子は、黒田にとって喉の奥に刺さる骨のような煩わしさを感じるであろうが、その方が己が無事を噛みしめるというものだ。」
官兵衛は秀吉の意図が解らず返答に困った。
「官兵衛よ・・・駕籠の中の小鳥が大空で生き延びることが出来ると思うか?試してみるのも一興」
「必死に生き残ろうとする者の運命を 自由に弄ぶのは天下人だけが許される喜悦じゃ・・・そちも、その喜びを知りたいか?」
「い・・いえ!拙者の器量では、殿下の境地に至ることなど思いもよりませぬことです」
官兵衛が慌てて返事をすると、秀吉は官兵衛の問いかけに応とも否とも言わず「ふひょひょヾ(  ̄▽)ゞ」と笑いながら上座から奥へと姿を消した。
広間に一人取り残された官兵衛は、秀吉ではなく天下人という存在に言い知れぬ恐怖を感じて慄然とした。
(城井の始末に失敗したら黒田の家が潰される・・・!!)
官兵衛は改めて手段を問わぬ非情の決意を固めたのだが、それは・またの話 by^-^sio