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(折封上書)
「田尻又三郎殿 親治
(異筆)
「明応八年四月十日、此又三郎ハ遠江守はるたね前之名也、」」
(端裏切封)
「(墨引)」
名字之事承候、以別紙、認進之候、恐々謹言
四月十日 親治(花押)
田尻又三郎殿
ん~~~これも複雑なものじゃないので意訳っていうより、むしろ語句解説のほうかな?
よく歴史ものの記事や小説とかで「主君から偏諱(へんき)を受けた」って書かれているでしょう?
偏諱とは、主君の諱(いみな)の一文字を拝領することで、別名で「一字拝領」「一字御免」「一字書出」とか言われます。
では具体的に、どんな書状ですか?というと記事タイトルのような「名字状」を発給します。
偏諱した主君---大友親治(おおとも ちかはる・宗麟の曽祖父)
拝領した国衆---田尻又三郎が偏諱を受けて治種となった。
興味深いのは異筆の方で「はるたね」と平仮名で書いている事です。
この異筆(補足?)で「治種」を、「はるたね」と読んでいた事が判ります^-^
切封と墨引は古文書学入門で紹介したので割愛^-^
一応、読み下し~
異筆部分
明応8(1499)年4月10日、この又三郎は遠江守はるたね 前(さき)の名なり
本文
名字の事 承(うけたまわ)り候、別紙を以(もっ)て、認(したた)め進之候、恐々謹言
【進之候】も書止文言の定型文ですので、このまんまです。
ただ、礼としては「進之候」が一番薄礼。
宛名も敬称は「殿」って漢字だから、いっけん丁重そうですが、日付より宛名が下になっているのは薄礼なんです。
別紙に認め・・・というのは偏諱によって新たに名乗る諱【治種】と書いた紙を書きますよ~ってことです。
でも添付されてない処を見ると、残ってないみたいですね (*´p`)ホエ~
どうも田尻家で家督相続があったようで、このあとも安堵関係とか色々出てきます^-^